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雪室じゃがいもができあがるまで

2017年7月の発売から遡ること4ヶ月、AND THE FRIETの商品開発チームは、北海道の小清水町にある農場の今井さんを訪問していました。今井さんには、北海道産の希少種をいつも分けていただいているのですが、今回は、初夏に取れる「雪室じゃがいも」を分けていただくお話をするのが、目的です!

広がる芋畑はすっかり雪に覆われていました。
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たゆまぬ研究を続ける新世代
農場に到着し、おいしいコーヒーをいただいているうちに、じゃがいも作りの話になり、分厚い英語の書類が入ったファイルを見せていただきました。

毎年様々な仮説と検証を加えていくというお話は、まるで何かの実験のお話のよう。

4代目となる今井さんは、ひいおじいさまの時代から師匠と弟子のように引き継がれた口頭伝承のノウハウに加え、農学博士に依頼して土壌を分析し、作物の生育へのアドバイスを受けているとのこと。微生物がいる土壌は宇宙のようなもので、自然の力に任せることで十分収穫はできるのだけれど、施肥設計の研究を密に加えることで、減農薬と、生産性の両方を追求している、というお話でした。

夏の間は、広い畑をドローンでチェックし、冬の間は、畑の上や山林をスノーモービルで楽しんでいらっしゃる農家さんも多いとか。近代的で豊かな北海道の日々が、羨ましくなりました。

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雪室じゃがいもとは
そして、本題。以前、今井さんからお伺いして、食べてみたい!と皆が言った、じゃがいもを甘くする手法、雪室についてです。

雪室は、冬の間でも氷点下にならないように作られた倉庫の中に雪を入れ、低音と湿度を保つ手法です。低温度管理が必要な種芋の保存方法に、冷蔵庫の出現で消えてしまった『雪室』の手法を蘇らせ、雪国の厄介者であった大量の雪をエネルギーに変えることで、長期熟成を可能にした古来の知恵との融合なのです。

大きな倉庫の中のじゃがいもの上にどっさりと置かれた雪は、圧巻。本来春になると芽を出すじゃがいもを初夏まで雪室で貯蔵することで、でんぷんが糖に変わり、ねっとりホクホクとした、甘いじゃがいもに変化します。

今回、今井さんからAND THE FRIETに分けていただいたのは、小清水産の「北旺」という果肉も白めの品種。大きめのウェッジカットにして揚げ、贅沢に召し上がっていただく予定です。

バターだけで揚げた雪室じゃがいもの話を聞いているうちに、AND THE FRIETでも、雪室じゃがいもにはバターをたっぷり使おう!ときめました。
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今井さんのこだわりの土と手法で作られた雪室じゃがいもが、この初夏、とうとうAND THE FRIETに届きます♪ 数量限定ですので、どうぞこの機会にお召し上がりください!
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7月現在の今は、畑いっぱいに緑の葉っぱが広がり、小さな蕾が付いているそうです。また次の収穫も楽しみです。
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AND THE FRIET – PLAYLIST SPRING, 2016

AND THE FRIETのお店を彩るBGMが新しくなりました♪

今回は、渋谷にある多くのDJやアーティストも来日時に訪れる、テクノ・ハウスを中心としたレコードショップのバイヤーさんに、”春”をテーマに選曲していただきました。

Leon Vynehall – Midnight on Rainbow Road
オランダの名門ディストリビューター件レーベルRush Hourが誇る2015年の代表作。心地良きアンビエント・ワールドが広げられたUKポーツマスから現れた次世代のニューカマー・プロデューサーLeon Vynehallによる現在の最高傑作。

Vangelis Katsoulis – The Slipping Beauty (Telephones Rework)
ギリシャの作曲家兼キーボード・プレーヤーVangelis Katsoulisの秘蔵音源アルバム「The Sleeping Beauties」からのシングル・カット。Sex Tags UFOやFull Pupp、The Very Polish Cut-Outsレーベルなどで高き評価を得ている北欧ノルウェイ出身のHenning SeverudによるプロジェクトTelephonesの巧みの技が光る多幸感満点のバレアリック・ハウス・リミックス

Placebo – Inner City Blues
後のテクノポップ・ユニットTelexでも有名な鍵盤走者Marc Moulinが率いたベルギーの伝説的バンドPlaceboが1971年にリリースしたファースト・アルバム「Ball Of Eyes」に収録の作品。Marvin Gayeの名曲を独自のカラーでカヴァーした美しき極上のジャズ・ファンク。

Nohelani Cypriano – Lihue
ハワイの女性シンガーNohelani Cyprianoによる名曲。サンプリング・ネタとしても有名な美しいイントロで幕を開け、そこのキュートな歌声が絶妙が絶妙に交錯する珠玉のメロー/ブギー・サウンドを展開。ハワイ産AOR & ソウルの最高傑作ですね。

Martin L Dumas – Attitude, Belief & Determination (Zaf LoveVinyl Slight Edit)
ディスコ・マニアから絶大な人気を誇るオンラインショップZafs Musicが監修を務める「Private Wax 12″ Series」の第二弾シングル。Martin L. Dumas,Jr.によるモダン・ソウルの逸品をZafLoveVinyl自らがエディットしたDJユースフルな作品。オリジナルの中古市場価格は2000ドルを超えるとのこと。

Risco Connection – Ain’t No Stopping Us Now
Joe Isaacsによる名ディスコ~レゲエ・ユニットRisco Connectionが、あのMcFadden & Whiteheadによる永遠の名作ディスコ「Ain’t No Stoppin Us Now」をカヴァーした1979年の作品。オリジナルとは一味違うトロピカル&レゲエなアレンジがソソリマス。

Bing Ji Ling – See Me Through
incarNationsや、Paqua、Phenomenal Handclap Bandのメンバーとしてもその名を轟かせる才人Bing Ji Ling。ずば抜けたソングライティング&ポップ・センスが光る、躍動感溢れるソウルフルでピースフルなサウンドを聴かせてくれる代表曲。

Lord Echo – Thinking Of You
The Black Seedsのメンバーとしても知られるニュージーランドのMike Fabulousのソロ・プロジェクトLord Echoの初期代表作。Sister Sledgeによる永遠のディスコ・アンセム「Thinking Of You」を独自のフィルターを通した温かなレゲエ・ヴァージョンに焼き直した作品。ジャンルや時代を超えた新たなるアンセム。

Sheila Hylton – It’s Going To Take A Lot Of Dub (Mcboing Boing Laser Dub Edit)
ジャマイカ出身のレゲエ・シンガーSheila HyltonがJaywaxから79年にリリースした「Lot Of Love」を、Golf ChannelのLGKのメンバーDJ McBoingがエディット。オリジナルの雰囲気/心地良さを残しつつも、よりダビーに/ファットに再構築した秀逸なエディット作品。

Sun Ra And His Intergalactic Infinity Arkestra – Love In Outer Space (Vocal)
シーンのキーパーソンGilles PetersonがカリスマSun Raの音源をコンパイルしたスペシャル・アルバム「To Those Of Earth… And Other Worlds」の冒頭を飾った作品。美しくも奇抜なワルツを聴かせてくれるSun Raの醍醐味が体感することができる名演。

Louis Armstrong (Satchmo)- When You’re Smiling
20世紀を代表するジャズ・ミュージシャンの一人SatchmoことLouis Armstrongによる有名過ぎる、そして心温まる名曲。某リンゴ会社のCMデモ使用されていましたね。

選曲/文:渡利一典
Select & Text by Kazunori Watari